第63回講師交流会

2014年4月24日(木曜日)



講師 東海大学 政治経済学部 教授 川野辺裕幸先生

略 歴
1950年    東京に生まれる。
1972年    慶應義塾大学経済学部卒業。
1977年    慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。
1979年    東海大学政治経済学部専任講師、助教授を経て、

              1989年より現職

教育支援センター所長、文明研究所所長、学長室次長等を歴任

 

 


[専攻]   経済政策、公共選択論。
[学会活動] 日本経済政策学会常務理事、計画行政学会常務理事、公共選択学会理事等。
[著書等]
「EU通貨統合とグローバリゼーション」『文明』2014年3月、第18号。
「復興政策に見る制度改革の実現可能性:宮城県現地調査を中心に」『文明』2014年3月、第18号。
「規制改革を成長戦略に据え直せ:勢い鈍った金融緩和と機動的財政政策」『改革者』2013年7月号。
「震災復興をめぐる政治の成功と失敗」『文明』2013年3月、第17号、13-20。
『テキストブック公共選択』勁草書房、2013年(共編著)、『出生率の回復とワークライフバランス』中央法規2007年(共編著).
『高齢者福祉サービスの市場化・IT化・人間化:福祉ミックスによる高齢者福祉改革』ぎょうせい2005年(共編著)他多数。


講演テーマ

「どうなる日本経済、今後の展望と対応」

アベノミクスが本当に日本を救うのか?

アベノミクスは大分人気はあります。その人気で4月から消費税率を8%に引き上げました。それから約1ヶ月が経ちました。引き上げて大丈夫なのかとの議論がありましたが、結構何とかいっているとの意見が多い。しかし、自動車は3割減だそうです。高島屋は2割減だそうです。それでも想定の範囲内だと言っています。反対にファミレスなどは増収だと言っていますが、本当なのでしょうか。

 まだわかりませんが、5月あたりにだいたい予想ができるのではと言うのが私の結論ですが、本当は7月から9月の夏の経済状況がハッキリするのが統計を揃えると11月くらいになり、その頃データが出揃う。来年の後半からの10%消費税率引き上げの決断をくだすのが12月ですから、夏の経済状況によって10%になるかどうかが決まるわけです。ただ、夏の状況が分かるのが12月と言うと、消費税の引き上げに間に合わないので5月くらいに目処がつくのではないかというのが、私の想像なんです。
 つまり、今日の演題の結論は5月をみましょうということになるんです。なぜそうなるのかをお話しなければなりません。
 1番目の矢は、日銀がドンドン国債を買って、大胆な金融政策を進めています。その結果、2年間でマイルドなインフレにしますと言うことです。2番目の矢は、機動的な財政政策で、公共事業を行う。3番目が本命で、インフレ状態をつくっておいて少し財政を刺激して、その後少し時間をかけて成長戦略で民間部門を元気にさせよう。この第3の矢が本命だと、1年前に始まりました。結果、急激な円安が起こって株高となり輸出も伸びました。国民はよくわかりませんが、景気がよくなったとマスコミが喧伝し始めました。これは小泉政権が誕生したときと同じです。
(第63回講演より、講演要旨及びその一部を掲載)


懇親会の様子