第70回講師交流会

2016年9月7日(水曜日)



講師 東海大学医学部卒業 東京ハートセンター副院長 細川丈志ドクター

略 歴

 

1962年2月16日 愛媛県松山市に生まれる 
 
1986年3月    東海大学医学部卒
 
1992年3月    東海大学大学院卒

         東海大学医学部付属病院、
         湘南鎌倉病院
         山近記念病院
 
2016年現在    東京病院・東京ハ-トセンタ副院長
         (循環器内科)
 



講演テーマ

心臓疾患治療について

人間ドックでの心臓病の検出率は高くない。東京ハートセンターは、品川にある心臓の治療を専門に行っている病院。循環器部長兼副院長として、心臓内科の特にカテーテル治療を担当している。

 

心臓の役割

心臓は、全身に血液を送り出す「非常に高性能」ポンプ。心臓に燃料を送るパイプ=冠動脈。

狭心症や心筋梗塞は、心臓自体の病気ではなく心臓に血液を送る冠動脈の病気。心臓の筋肉が完全にダメになったかどうかで、狭心症か心筋梗塞かを分けている。安静で胸がチクチクするとか重苦しいという症状の9割型は、心臓の病気ではない。

 

心臓のカテーテル治療

カテーテルとは、プラスティックのような細い管を用いて行い、パイプつまりを解消する道具。

冠動脈を調べるとどこが狭くなっているか、どこが詰まっているかがわかる。

狭心症は、アテロームという脂肪やコルステロールの塊が付いて、血管が狭くなったもの。

心筋梗塞は、アテロームに何かの拍子に血栓ができて、血液が完全に流れなくなりそこから先の筋肉に酸欠が起こってしまい壊死する。完全につまってしまったものが心筋梗塞。

狭心症では死なないが、心筋梗塞では、死ぬ。

 

冠動脈のカテーテル治療について

1993年12月から、冠動脈ステントが使われるようになった。金属を広げて筒のようし、患者さんに埋め込みまた太くするのを防ぐ。治療ほうほうの主流で、数分で血管に通すことができる。

 

心筋梗塞の症状、なぜ怖いか

突然発症し、多くの人に前兆がない。半分くらいの人は、数日前になんとなく胸に症状があって、発症する。座ってたりお風呂に入って、なんの前触れもなく発症する。発症して、病院に来るまでの間に3割の方が亡くなる。

普通の狭心症は、心筋梗塞にならない。血管が詰まっていても、安定プラークの場合胸が痛いという症状は出るが、破れないので心筋梗塞にならない。一度心筋梗塞を発症すると死亡率が高い。一度発症すると一年以内に半分の方が亡くなる。

 

心筋梗塞の予防

心筋梗塞を予測して予防することができないので、高脂血症、肥満、高血圧、喫煙習慣、糖尿病対策をする。

心筋梗塞を発症したら、とにかく早く治療する。時間を買う病気と言われている。病院にたどり着くまでの時間が重要になる。一刻一秒でも早く治療する。緊急治療のできる病院に運ばれないとどうにもならない。救急隊が、心筋梗塞かどうかなかなか判断できない。一刻も早く、緊急カテーテル治療が可能な病院へ運んでもらう。3時間以内に治療できれば、ほとんど後遺症なく治る。

(第70回講演より、講演要旨及びその一部を掲載)


懇親会の様子