第79回講師交流会

2019年10月3日(木曜日)


講師 東海大学 政経学部 政治学科 准教授 藤巻裕之先生

略 歴

【主要授業担当科目】

国際政治学・国際機構論・国際協力論・大学院国際政治学研究抗議

大学院国際政治学研究演習


【専門分野】

国際関係論・地域統合論・ロシア・東アジア国際関係


【研究内容】

北東アジア、ユーラシアにおける地域主義、特にASEAN、ASEAN+3、上海協力機構(SCO)などの国家間でつくる地域的国際機構の政治学を研究。
同地域における非国家主体間の関係にも興味を持つ。


【主な論文・著書】

「冷戦のなかのデタント」『アメリカがつくる国際秩序』(共著)滝田賢治(編著) ミネルヴァ書房

「東アジアにおけるエネルギー安全保障ーエネルギー地域協力の可能性を考察するー」
 『東アジアに「共同体」はできるか』 東海大学平和戦略国際研究所編、社会評論社

「普遍的国際機構と地域的国際機構の相関関係ー旧ソ連地域との関係を中心に」” Human Security ”

「資源エネルギーと国際組織」 『テキスト・国際組織論』 (共著)中沢和男



講演テーマ 「アジア太平洋の国際秩序

~日韓/日中関係から日米vs中露北韓へ~ 」

アジア太平洋で戦争が起こりうるか?パワーシフトの中心は、アジアに移っている。


国際社会の重要な問題は、ほとんどアジアに関わっている。自国第一主義が中心になってきているが、多国間主義の我が国の方針に影響を与えるか?


パワーのなくなる時に、その空白を誰が埋めるのか。戦後アジアは、日本の代わりにアメリカが入った。パワーシフト。第二次大戦後の世界の秩序をアメリカはどう考えたか。トルーマン大統領。日本にとってはとんでもない奴だが、アメリカでは評価が高い。


ジョージ・ケナン。アメリカの外交官史上最高の外交官と言われている。ソ連の専門家。第2次大戦終了時にモスクワの大使館にいた。ワシントンに送った論文で、ソ連と同じ夢を見ることはできないと指摘し、本庁に呼び戻されて外交政策を作り上げた。


西ドイツと日本の占領地区をどうしていくかが大事。パワーシフトの考え、力の中心だった東京とベルリンが空白地帯となった。二カ国は、東洋と西洋で巨大な工業国だった。自国につくのかソ連につくのか。第三次世界大戦を防止するための外交政策を考えた。アメリカの戦略は単純。多数派にいること。ソ連を孤立化させること。ドイツと日本がソ連側に付く可能性があった。


アメリカとソ連という協力な重力があった。冷戦後不安定な状態になった。ヘンリーキッシンジャーも、世界の新秩序へ向かうと言っている。極のない不安定な世界になる。


米中海戦の可能性はある。パワーシフトの時、派遣国と追随国の間に75%くらいは、過去に戦争が起こってる。イギリスは、アメリカに追い越されることを受け入れた。政治体制がまったく違う国に追い越される時に、アメリカは受け入れられるか。キューバ危機の回避の時のように、米中の戦争を回避できるか。パワーの源泉は、19世期は、軍事力だった。20世紀は、経済が加わった。21世期は、知力が加わった。自由、宝の支配、人権というような基本的な価値を共有することが、何よりも大事。


アジア太平洋は、世界の成長センター。90年代中国は、鄧小平の考えで動いていた。いずれ中国は、アメリカと衝突するとみていた。アメリカのターゲットにならないように90年代前半は示していた。アメリカにトランプ政権ができると考えていなかったが、歓迎した。民主党政権は人権問題をつかれるので、共和党政権の方が好ましかった。しかしその後、米中貿易戦争に突入した。中国政府を変えていく、育てていくアメリカの戦略に決別した。
中国は、近隣国と外交貿易関係で、パワーをつけてきている。


韓国は、中国との関係が強くなっている。日本の意向に沿わない状態になっている。

 

(第79回講演より、講演要旨及びその一部を掲載)


講演会の様子


懇親会の様子